曹洞宗とは

曹洞宗とは

曹洞宗(そうとうしゅう)とは

◆ 概要

曹洞宗(そうとうしゅう)とは、中国の禅宗五家(曹洞、臨済、潙仰、雲門、法眼)の1つ。
日本仏教においては禅宗(曹洞宗・日本達磨宗・臨済宗・黄檗宗・普化宗)の1つであり鎌倉仏教の1つである。

本山は永平寺(福井県)・總持寺(横浜市鶴見区)。

専ら坐禅に徹する黙照禅であることを特徴とするが、仏陀つまり悟りを開いた人・目覚めた人の教えであるので、出家在家に拘らず、求道者各自が悟りを開くことを標榜する。

▲ 大本山永平寺

▲ 大本山總持寺

◆ 特徴

日本仏教における曹洞宗は鎌倉時代に始まる。
日本における曹洞宗の開祖は道元禅師。

宗派の呼称として「曹洞宗」を用いるようになったのは、第四祖瑩山紹瑾(1268 – 1325年)とその後の席峨山韶碩(1275 – 1366年)の頃からである。

そもそも曹洞宗では、あまり宗祖という言葉を使用しない。
道元禅師と瑩山禅師の2人を宗祖だと捉えており、「宗祖が2人いる」という意味で両祖と呼ぶ。

日本における曹洞宗は、中国における曹洞宗の説とは違い、曹渓慧能と洞山良价の頭文字を取って曹洞宗と呼ぶのを定説としている。

「臨済将軍曹洞士民」といわれるように、臨済宗が時の中央の武家政権に支持され、政治・文化の場面で重んじられたのに対し、曹洞宗は地方武家、豪族、下級武士、一般民衆に広まった。

曹洞宗の宗紋は久我山竜胆紋(久我竜胆紋・久我竜胆車紋)と五七桐紋である。

◆ 教義

「正伝の仏法」を伝統とし、「南無釈迦牟尼仏」として釈迦を本尊と仰ぐが、各人が坐禅により万法に証せられる(悟る)ことを肝要とする。

曹洞宗の坐禅は中国禅の伝統と同じく「只管打坐(しかんたざ)」(非思量の坐禅をすること)をもっぱらとし、臨済宗のように公案禅をとる流派も一部にあるが少数である。
江戸時代のように多くの曹洞宗僧侶が、公案禅に参じた時もあった。